「あの頃の夢洲」万博会場建設前の2022年に夢洲を訪問した記録【万博閉幕】

旅行を考える

大阪関西万博はまもなく閉幕する。終盤には平日でも連日20万人以上が夢洲を訪れていたようで驚きである。私は今東京にいるが、3年前は関西に住んでいた。その時に思い立って夢洲を訪れてみた。今回はその時のことを思い出しながら、3年前の何もない夢洲を紹介する。

あの頃の夢洲(2022年)と、夢洲の概要・歴史

私が夢洲を訪れたのは2022年7月。大阪・関西万博会場の起工式が行われたのが2023年4月なので、この時は万博の工事すらほとんど始まっていなかった。ちょうどミャクミャクが発表されて「気持ち悪い」などと言われていた時期であろうか。

そもそも夢洲は、1977年から廃棄物処分地として埋め立てが始められてできた、いわば「ゴミの島」である。埋め立てが終わったあとは土地として利用すべく1988年に、隣接する「舞洲」「咲洲」とともに3つの人工島を開発する計画「大阪テクノポート計画」が策定された。この計画では南の咲洲をテクノポートの玄関口としてフェリーターミナルや衛星通信の基地局、インテックス大阪、ATC、WTCといった国際交易機能を持つ施設が作られた。北側の舞洲はレクリエーション空間と技術開発・研修・教育ゾーンと位置付けられ、体育館などが作られた。そしてこの夢洲は人が住む居住地として開発される予定であった。しかしバブル崩壊で計画は頓挫、舞洲や咲洲に作った施設は「負の遺産」と呼ばれるようになった。90年代は、2008年のオリンピックを舞洲に誘致し、夢洲に選手村を置く計画がなされたが、中国の北京に誘致で敗れ、この計画もなくなった。

負の遺産の言われるATCと大阪府咲洲庁舎 ATCは客数が盛り返しているが、咲洲庁舎は空きテナントが目立つ

以降、2002年の夢舞大橋開通にともなってコンテナ埠頭としての利用がスタートし、2009年には夢咲トンネルが開通した。しかしその他の大部分は空き地で、なんと自然豊かな湿地まで形成され、珍しい動植物が生息しているとも言われている

そのような状態がしばらく続いたのち、橋下氏の大阪府知事選挙当選に続いて今日まで続く維新の政権が誕生した。この政権で夢洲をIR(統合型リゾート)として開発することが構想され、後に国際博覧会も誘致して一体的に島全体を開発していくことになった

そして現在、その万博が終わろうとしており、次はIRの整備へと進むこととなる。

万博建設中の夢洲 手前の海に浮かぶものは博物館だが閉鎖している

2022年に夢洲を訪れた際のアクセス

2022年当時は大阪メトロ中央線は、夢洲までは開業しておらず、コスモスクエアまでであった。実はトンネル自体は、先述した夢咲トンネルの工事において道路と一体的に整備されていたのだが、ずっと放置されており、2025年の万博にともなってようやく開通したのだ。

夢洲へのアクセスは当時、コスモスクエアからバスに乗って行く方法しかなかった。大阪の「北港観光バス」というバス会社が運営するコスモドリームラインに乗って夢洲へアクセスする。このバスは1時間に1本しか走っていない。しかもこの路線はやや特殊で、南の咲洲にあるコスモスクエア駅から夢咲トンネルを通り、一度夢洲を素通りして夢舞大橋を渡り、舞洲をぐるぐる周ってから再度夢舞大橋を渡り、ようやく「夢洲コンテナターミナル前」という停留所に到着するという運用だった。夢洲の中で停まるのはこの停留所だけである。4kmしかないのに30分もかかる不思議なルートであった。なお調べてみたところ、万博協会からバス停が邪魔だと言われたりしたようで、2024年8月に廃線になっていた

2022年の夢洲

夢洲コンテナターミナル前というバス停で降車し、付近を散策する。だが、セブンイレブン一軒をのぞいて、付近には何もないなんなら横断歩道や信号機もほとんどない。コンテナ埠頭という特性上、トラックが次から次へとなかなかのスピードで走っている。道を渡るのも一苦労だ。

なおセブンイレブン大阪夢洲店は現在も営業している。コンテナ埠頭は万博期間中も稼働しており、その関連の方々が多く利用されているようだ。

夢洲の様子

本当に何もないので、ただコンテナを見るだけの旅である。しかも次のバスは1時間だ。当時は大屋根リングなどもないので、7月の日差しはあまりにもつよい。また全面アスファルトなので照り返しもかなり厳しい。そんなまちだったが、「この島で2年後には万博が開かれているのか」と考えると期待が膨らんだ。まさに夢洲の名前にふさわしいことである。そして2025年に万博へ足を運ぶと、あの何もない島にこんなに多くの人が集まっているのかと、感慨深くなるのだ。

夢洲のセブンイレブン 現在はこの向こうに大屋根リングがある

まとめ

今回は2022年に万博に訪れた時の様子を写真を交えて紹介した。これからこの島はどうなっていくのか、楽しみである。ちなみに、今まさに夢洲よりさらに沖合に新たに「大阪沖埋立処分場」として島ができつつある。この島が埋め立て終わった時、どのようになっているのかも興味深い。ちなみにこの場所のGooglemapのクチコミに「泳ぐと遠かった」などと書かれていた。こちらも興味深い。

最後までご覧いただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました