名物料理には3種類ある!B級グルメと郷土料理の違い 観光地で何を食べる?【飯テロ記事】

旅行を考える

私は過去3回日本一周を実施し、さまざまな地域のさまざまな料理を食べたり、見たりしたきた。たくさん旅行をしていると名物料理には3種類あることがわかってくる。今回はその3種類の名物料理とは何か、紹介していく。

3種類の名物料理

ではその3種類の名物料理とは何であろうか。その答えは「B級グルメ」「ご当地グルメ」などと呼ばれるもの、「郷土料理」と言われるもの、そして「土産菓子」と呼ばれるものの3つである。これらは時系列やその目的によって比較的明確に分けられる。明確に分けられるのにもかかわらず、観光地では意図してか意図せずか、それらが混合されているように感じる。3つを次でそれぞれ紹介していく。

郷土料理

郷土料理の定義にはさまざまな解釈が存在しているが、概ね明治時代くらいまでにできた料理で、地域に根差した食品を、地域固有の方法で調理し、地域で伝承されてきたものであると言えるだろう。地域の伝統的な料理を想像すると分かりやすい。

たとえば「柿の葉寿司」は和歌山県・奈良県の郷土料理であり、東京だと「かんぴょう巻き」、秋田県の「きりたんぽ鍋」なども郷土料理と言われる名物料理だ。全体的にいつから伝えられているのかが分からないものや、歴史がありそうなものが郷土料理だというイメージである。

日本全国の郷土料理は以下の農林水産省HPにおいて紹介されている。
うちの郷土料理:農林水産省

島根県津和野町の郷土料理 うずめ飯
秋田県の郷土料理 きりたんぽ鍋

B級グルメ・ご当地グルメ

次に紹介する名物料理の種類は「B級グルメ」「ご当地グルメ」と呼ばれる名物料理だ。本来「B級グルメ」という単語は気軽に食べられるもの全般を表すのだが、各地の「B級ご当地グルメ」のことをB級グルメ、ご当地グルメというのが一般的となっている。

これらのB級グルメ・ご当地グルメは、総じて2000年代ごろに「地域おこし」「町おこし」の観点で新たに作られたりPRされたものが多い。うまく行っている地域では産業界も巻き込んで地域の活力に繋がっているものと思われる。

具体例としては「富士宮やきそば」や「八戸せんべい汁」「津山ホルモンうどん」などが有名であろう。またスパゲティやカレーなど、洋食をアレンジしたようなものがあるのも特徴的だ。総じて名物料理の中では価格が安いことが多い。

北海道の名物グルメ 豚丼
八戸 せんべい汁

土産菓子

最後に紹介する名物料理が土産菓子である。土産菓子とは、お土産などとして外から来た人に買ってもらうために作られた菓子のことを指す。その土地の要素を反映させたものが多いが、多くの場合が人々の生活から発生したというよりは、商業的な側からお土産として作られたものである傾向がある。土産菓子の例としては「東京ばな奈」「もみじまんじゅう」などが挙げられる。土産物屋などで見ることができ、その場で食べるというよりは持ち帰って人に配るといったことが多いかと思われる。一方赤福のように現地で食べられるものもある。

赤福 伊勢参りの人に振る舞われたのが始まり。伊勢では店で食べることができる。

現地で名物料理を食べるなら郷土料理か、B級グルメか

ここまで郷土料理、B級グルメ、土産菓子と、三つの名物料理をそれぞれ紹介してきた。では現地で食べるならどれが良いのだろうか。ここでは食事を念頭に置くため、菓子である土産菓子を除いた2つを考える。

どちらの名物料理が良いかどうかというのは個人の価値観によるところであるから、ここでは結論づけない。このパートではその判断において私が注目している点を紹介する。

まず、郷土料理はそれぞれにかなり独自性があると感じる。他にない様相を呈していることも多い。その土地に来た、という感じを存分に楽しめるのが郷土料理の良いところだ。だが、郷土料理は提供している店が少なかったり、全体的に値段が高かったりするというのは考えどころだ。

B級グルメについては、そのパターンが様々あるので、一概にいうことは難しい。たとえば八戸せんべい汁は200年前くらいから伝えられていたせんべい汁を東北新幹線延伸に伴いPRしたというのにすぎず、内実はほぼ郷土料理だ。津山ホルモンうどんは、最近できた名物ではあるものの、古くから食肉の流通拠点であったということを踏まえている。卸売が盛んな地域で、実際にふらっと行って食べられる状況があることは価値があることだ。

しかしB級グルメの中には、説明されないと一般的なものとの違いが分からないような商品もある。〇〇焼きそば、〇〇ラーメンの類は本当に全国どこに行っても見かける。説明を見ると「確かに違うな」と思うところがあるのだが、普通のものとあまり変わらないなら、わざわざ現地で食べなくても良いかなと判断することも多い。どうしても新しく作った料理はかつてあった食べ物のアレンジ版になりやすいようだ。もちろん、一般的なものに似ているということは、裏返せば身近に楽しめるということでもある。夏祭りなどの際にB級グルメが出店されているのを見たことがある。このような機会が多ければ多いほどそのまちの名前を知る人が多くなるのも事実だ。地域活性化的な視点では有効である可能性があるが、あくまで現地で食べるかどうかの話なのでその点ご留意いただきたい。

またB級グルメには「富士宮風焼きそば」といったそれっぽい偽物があったりする。また地名を冠して業者が低品質な商品を販売するという事例もあるようだ。見極めが大切である。

富山ブラックラーメン

まとめ

今回は名物料理の種類について紹介してきた。各地に行って何かしら「名物」の名称がついたものを見つけると食べたくなる。食をアピールすることは観光開発においては非常に重要であろう。その土地独自の食べ物がなかったら、滞在時間が短くなったり、旅行者が他の地域を目的地にするため、いくら観光資源があっても経済効果が限定的になってしまいそうだ。

またガイドブックなどで美味しそうな料理の写真を見ると実際に食べてみたくなる。どうしても郷土料理は地味なものも多いから、そのような点をB級グルメがカバーしているのかな、と感じることもある

いずれはB級グルメも郷土料理になる時代が来るかもしれない。また今郷土料理とされているものも、始まりはB級グルメみたいなものだったかもしれない。旅行に行って何か名物料理を食べる時、その歴史や誕生経緯を調べることも、旅の一つの面白さではないだろうか

八戸の朝市(館鼻岸壁朝市)

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