大規模な花火大会のマネタイズ方法 〜有料観覧席・スポンサーなど〜(長岡・大曲・土浦)

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日本の夏の風物詩といえばやはり花火大会ということになると思いますが、花火は一発当たり10号玉で50000円以上するなど、お金がかかります。全国のいわゆる日本三大花火大会のような時には1イベントで2万発近い花火を打ち上げることになり、控えめに一発10000円富積もったとしても20000発で2億円かかります。さらに花火大会にかかるお金は花火購入費だけではありません。会場設営、警備、チラシ・パンフレット作りなど、さまざまなお金がかかります。このような花火大会の費用をいかに捻出しているのか、さまざまな花火大会を例に見てみましょう。

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長岡まつり大花火大会(長岡花火)

まずは新潟県長岡市で実施される長岡の花火大会について調べてみましょう。長岡花火財団の資料によると、令和8年度の予算は約20億円と計上されているようです。内訳は花火が3.3億円、会場設営が5.5億円、安全対策が2.6億円などとなっています。花火代以外のところにかかるお金がかなり多いことが伺えます。長岡は二日開催なので、そういったことも総額が大きくなることに関係しているようです。

収益に注目すると、観覧席券等の販売額が15億円、協賛金が3億円などとなっています。長岡花火は、観覧席代を会場警備費用等に充て、協賛金で花火を打ち上げるという棲み分けを行っているようです。観覧席は2日で36万人分の座席が発売されています。

協賛については、プログラム等への広告掲載に加え、スターマイン(たくさんの花火が上がるもの)のタイトルごとの協賛があります。長岡花火を見ていると、協賛企業の紹介→スターマイン打ち上げといった流れになっており、協賛紹介がかなり長い構成です。花火が打ち上がる間が長いとも言えます。このようなスターマインがずっと続くのが長岡花火の特徴です。

企業協賛のみならず個人協賛も受け付けており、スターマインの合間に打ち上げる花火の1発協賛や、目玉である復興祈願花火フェニックスの協賛などを募集しており、ホームページからクレジットカードで手軽に決済できるようにもなっています。

予算の資料を参考にすれば、1年間で500万円ほどの利益が出ているようですが、金額の規模としてはほとんど黒赤トントンというところでしょう。

⇩長岡花火財団 予算
https://nagaokamatsuri.com/img/zaidan_2026keikakusyo.pdf

⇩長岡花火公式HP(観覧席券代の使途について参考)
https://nagaokamatsuri.com/topics/2616

全国花火競技大会(大曲の花火)

大曲の花火は、日本一の花火大会として知られますが、全体でかかる金額は朝日新聞の2024年の記事によれば5.3億円ほどのようです。現在は物価上昇等によりもう少し大きくなっている可能性があります。長岡と比較すると意外に少ないですが、大曲の花火の特徴はこの8割以上を有料観覧席代で稼いでいるということです。最も高価な席は2人で70000円などとなっています。詳細な予算は発見されませんでしたが、チケットは売り切れていることから、今年2026年大会の販売数から収益額を推計してみましょう。

席名販売額(円)販売数売上(円)
プラチナペア席7000052836960000
デラックステーブル席50000137568750000
テーブル席3800011240427120000
ペア席13000740096200000
レジャーシート席15000200030000000
イス席80001090087200000
堤防BOX席300003917327000000
カメラマン席A250001002500000
カメラマン席B180001001800000
カメラマン席C130001001300000
合計869340000
手で数えているため、多少の誤差が生じる可能性があります。

大曲の花火の夏大会は、正式名称が全国花火競技大会であり、日本中の強豪の花火業者28社がそれぞれの自信作を出品し、それらがプログラムの中心となっています。各花火業者に対しては、花火代金として一定の金額が支払われているものと考えられます。

その合間にスポンサーによるスペシャルスターマインが何度か組み込まれているという形になっているため、大会途中の協賛紹介はかなり少なめです。さらに、年間スポンサーという制度もあり、今年は12社がこの年間スポンサーとなっています。これらの協賛の総額も明示はされていませんが、8割以上が観覧席券からの収益であるという発言を参考にすると、8700万円(8.7億円の1割)くらいと推定されます。

また長岡は財団が運営していましたが、大曲は商工会が主催しており、全国的にも珍しい形態のようです。地域の経済活性化という観点を取り入れながら花火大会を運営できるという点は地域活性化の観点からも有効であるように見えます。チケット代+スポンサーで10億円ほど稼いで、かかる費用が5億円強ということは、1回で数億円単位で商工会に利益が出ているという計算になります。地域外からのお金を獲得する良い機会となっており、資金的に持続可能な運営がなされていると考えることができそうです。ただ一方で、他のさまざまな経費によって実際はより厳しい運営である可能性もあります。記事によれば、花火大会会場近隣の住民に対して、協力金を支払ったりもしているようです。

⇩大曲の花火に関する記事(おまつりジャパン)
https://omatsurijapan.com/column/oomagari-hanabi-sustainable

3, 土浦全国花火競技大会

内閣総理大臣賞が与えられる花火大会は2大会のみで、その一つが土浦、もう一つが大曲です。土浦の花火大会はどのようにマネタイズしているのでしょうか。

土浦花火についても決算資料は見つかりませんでしたが、以下の読売新聞の記事を参考にすると、総費用は3億円、うち補助金が8500万円という構成のようです。2024年は中止になった影響で追加で2億3000万円の補正予算を組んだとされています。通常はこの分をチケット代や協賛金で賄っているのでしょう。

土浦全国花火競技大会は土浦全国花火競技大会実行委員会により運営されているようですが、その本部は役所の中に設置されていたり、実行委員長は土浦市長であったり、中止の際は自治体が補填していたりと、行政主導の色合いが強いように見えます。長岡、大曲、土浦は、三つ合わせて日本三大花火大会と呼ばれますが、そのそれぞれの大会の運営母体は財団だったり、商工会だったりと、さまざまなスタイルがあるのですね。

⇩読売新聞の記事
https://www.yomiuri.co.jp/national/20241121-OYT1T50008

まとめ

この記事では、「お金」という側面から花火大会を観察してみました。
どれだけ人々の想いがあっても、やはりお金がなければ実施できないものは、多くあるように思います。予算がないために縮小するお祭りや中止になるお祭りもあります。無慈悲ではありますが、資本主義経済においてはそれもやむを得ないものであるとも思います。この記事では花火大会単体でのマネタイズを掘り下げましたが、花火大会へ来た人たちが生む周辺地域への経済効果も看過できません。大切なのは、いかにこれらの伝統あるお祭りたちを経済のサイクルの中に組み込むのかということであろうと私は思います。このお祭りの未来についても、あらゆる観点から参加者一人一人が考えていく必要があるでしょう。

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