毎年8月最終土曜日に、秋田県大仙市の雄物川河川敷・大曲の花火公園では全国花火競技大会が開催されます。普段は人口4万人ほどの大曲地区に全国各地から60万〜70万人の人が訪れる特大イベントで、有料観覧席だけでも10万席あります。全国花火競技大会という名前の通り、全国の上位28社の花火業者のみが出品でき、その中で優勝を決めるのがこの大会の大きな目的です。
2026年は8月29日に開催されました。2026年は雨が降ることもなく、雲は高く、風も少し吹いており、比較的良いコンディションでした。この記事では、実際に東京からこの全国花火競技大会に行って分かったことなどを紹介します。今回初参加でしたが、もうすでに来年の第99回全国花火競技大会も観覧することは決まったようなものなので、来年私が見返すという目的も含め、詳細に記述しますのでぜひ最後までご覧ください。



前提の条件
当然ながら自動車で行くのと電車で行くのとでは前提がまるで違うので、まずは私が今回、どのような形で全国花火競技大会を訪問したのかを整理しておきます。
今回、私は友人3人(男1人、女2人)を連れ計4名で全国花火競技大会に参加しました。友人とは盛岡駅で集合し、12時48分盛岡駅発の田沢湖線の在来線臨時普通列車・ナイアガラ号で大曲駅へ向かい、昼花火・夜花火ともにフルで鑑賞して、また田沢湖線臨時普通列車で盛岡に帰って盛岡のビジネスホテルで宿泊するというスケジュールです。座席は堤防BOX席でした。

持ち物について
ここからは、今回持っていって大正解だと感じた持ち物について紹介します。逆に「これがあったらよかったな」というものはなかったので、おそらくこれで十分かと思われます。
1, ブルーシート
堤防BOX席は草が生えた堤防の斜面上に、横幅180cm、縦30cmほどの板を打ち付けて固定したスタイルの席です。このままでも座れないことはないですが、河川敷特有の虫が地面から飛び出てきたりするのと、草が湿っていたりするので、ブルーシートを持っていくのが良いと思います。
2, 折りたためるクッション
ダイソーなどで販売されているような折りたたみ式のクッションはあった方が良いでしょう。堤防BOX席は座面が木の板なので、昼花火開始(17:10)〜夜花火終了(21:30以降)まで4時間以上座ることを考えると、持ってくるのが非常におすすめです。
3, 保冷バッグと飲み物、食べ物
飲み物は現地でも調達できますが、昼花火と夜花火の間など、出店は大変混雑します。また、スーパーで買っていったほうが安いので、お茶やアルコール飲料は重すぎない範囲で保冷バッグに入れて持っていくのが良いでしょう。凍った状態で販売されているペットボトル飲料を何本かコンビニで調達し、缶の飲料とともに保冷バッグに入れておけば、キンキンに冷えたビールを楽しむことができました。なお、食料の調達は私たちは盛岡のスーパーで行いました。盛岡出発が12時48分で、ビールを飲んだのが19:30とかだったので、かなり保温効果が高いものと見られます。
食べ物については、スナック菓子に加えて、凍った枝豆を買っていくと、保冷にも役立つのでおすすめです。
4, サイリウムやペンライト
大曲の花火では、終了後に対岸にいる花火師の人たちに対しエール交換という形で感謝を伝えるタイミングがあります。打ち上げ側は赤いトーチをふり、観客側はペンライトやサイリウムを振ります。夏大会は有料観覧席の10万人が一斉にライトを振るので、壮観です。このエール交換に参加するために、サイリウムやペンライトを買って持っていきましょう。
5, 虫除けスプレー
虫はそこまで多くはありませんでしたが、河川敷なので虫がいないということではありません。紙コップの中に入ってきたりしました。虫除けスプレーを持っていくのが安全でしょう。
6, ウェットティッシュ
会場の中に手を洗える場所はありませんでした。トイレにいった後や、食べ物を食べる前など、ウェットティッシュは必須アイテムであるといえます。私は2パックくらい持っていきました。
7, トイレットペーパー(流せるティッシュ)
同じくトイレ関連で、会場のトイレは仮設トイレでトイレットペーパーは設置されていません。流せるティッシュやペーパーを持参しておきましょう。また、トイレットペーパーを持ち歩くのは少し気が引けるので、黒いポーチなどがあると良いと思います。
8, チケット
チケットを忘れたら観覧席には入場できません。当日券の販売もないので、いく前に入念にチェックしましょう。
9, カッパ
大曲の花火は雨が降りがちと言われています。花火を見るので、傘を使用すると迷惑です。カッパやポンチョなどを持参しておきましょう。

行き・帰りについて
行きについて
田沢湖線区間について
私たちは今回、田沢湖線の普通列車で移動しましたが、これはなかなか楽ではありません。盛岡駅から大曲駅まで2時間半、途中の田沢湖駅では40分停車したり、そのほかの駅でも10分ほど行き違いで止まる機会が多いです。さらに、ほぼ全員が全国花火競技大会の観客で、満員列車なので、席が確保できなければ2時間半立ちっぱなしです。盛岡駅では早めに並んでおくのが良いでしょう。私たちは30分前くらいにホームに並んで、ギリギリで4人分の座席を確保できました。
なお、最も楽な移動方法は、おそらく秋田新幹線のこまち号を使用する方法でしょう。これなら盛岡から大曲まで1時間ほどで到着します。ただ、全車指定席で、予約の難易度は非常に高いようです。私は第三希望までセットして、えきねっと上で予約注文しましたが、全て抽選落ちでした。

東北新幹線区間について
さすがに東北新幹線は本数が多いから大丈夫だろうと思っていたのですが、当日ははやぶさも含めてほぼ全て満席で、立ち席移動となったメンバーもいました。東北新幹線も早めに予約しておいた方が良いでしょう。
大曲駅から大曲の花火公園(会場)まで
ここからは徒歩での移動です。ただ、観覧会場が横幅1.5kmくらいあるので、座席の位置によって会場までのルートがかなり変わります。事前に位置と入場ゲートを確認しておきましょう。そのゲート番号に応じて、アップルロードやバナナロードなど、ルートが設定されています。看板に掲載された果物を確認しながら、会場に向かいます。
荷物について
私たちは盛岡のビジネスホテルで宿泊しましたが、チェックイン前に荷物を預かってくれるようです。キャリーケースや大きなカバンなどは大曲に移動する前に預けてしまうのが良いでしょう。ただし、ここで間違えて観覧席チケットまで預けてしまわないようにしましょう。
帰りについて
帰りは例年、駅に入るまでに何時間も待つような大行列が出来上がるそうで、駅のずいぶん手前から、方面別で並ぶ列が分けられます。私たちは田沢湖線で盛岡まで帰る列に入ったのですが、これはびっくり、一秒も並ばずにそのままホームに入ることができました。奥羽本線・秋田新幹線の列は恐ろしいほどの大行列でしたが、田沢湖線だけはタイミングがよかったようです。なお、会場を出たのはフィナーレのあとの、エール交換の途中でした。そこから全速力の早歩きで向かいました。
田沢湖線は単線なので、混雑の影響や新幹線を優先して通す影響で、遅れが発生していました。最終的には20分遅れくらいで、大曲を22時30分に出発して、盛岡には0:30頃に到着しました。2時くらいになる覚悟をしていたので、意外と早く帰れたなという印象でした。エール交換(満点の星)が終わってから移動しているとそれくらいの時間になっていたかもしれませんね。
堤防BOX席の特に通路に近い席だったので、帰る人たちの流れを確認できたのですが、まず21時頃ピッタリにツアーの人たちがゾロゾロ帰り始め、その後大会提供が終わったタイミングからダッシュで帰る人たちがザーッと流れ、最後フィナーレが終わって満点の星が流れている途中で一気に帰る流れができ始めるというような形でした。今年はスケジュールがかなり押していたらしく、大会提供を見ずに帰る人たちも一定数いたようです。かなり勿体無いような気がしますが、仕方のないことなのでしょう。

ホテルについて
私は5月末くらいにホテルの取得を試みましたが、大曲駅周辺はおろか、北東北ほぼ全ての駅に近いホテルが埋まっていたのです。ひとまず水沢に空いているホテルがあったので一泊4500円で確保したのですが、その後北上線が災害で不通になったので到達ができなくなり、一度キャンセルして盛岡駅周辺でキャンセル待ちを探していると、なんとか確保できました。2人ずつ別のホテルになりましたが、1泊10000円を切るような価格で確保できました。他のホテルは大曲の花火にともなって価格が高騰しており、20000~30000円くらいのところも多かったのですが、これはファインプレーと言えそうです。

音響やスピーカーについて
事前にインターネットを調べても、あまり情報がなかった分野なのでここに記述しておこうと思います。実際に大曲の花火に参加してみると、かなり音は良いように感じました。もちろん屋外なので、反響や迫力などは限界があると思いますが、音楽のメロディはクリアに聞こえますし、音割れなどはありませんでした。低音が特に強化されている印象でした。おそらく花火の破裂音の周波数と被る部分を強化しているものと思われます。
スピーカーの位置についてですが、打ち上げ場所に、コンサートなどでよく見るようなラインアレイスピーカーがクレーンで吊られていました。加えて、そのラインアレイスピーカーの下部に台を設置していくつかのスピーカーが設置されていました。おそらくこれは低周波数域用のサブウーファーかと推察されます。このラインアレイとサブウーファーのセットが打ち上げ場所に等間隔で計5箇所設置されていました。競技で使用する音響装置はおそらくこれが全てで、これに加えて観客誘導用のホーンスピーカーが堤防BOX席後ろなどに設置されていました。競技中は使用されていなかったものと見られます。

打ち上げ場所にスピーカーが設置されているため、花火の破裂音が伝わるまでの時間と、スピーカーの音が伝わるまでの時間に、差異があまりありません。創造花火において、音楽との一致なども重視する大曲らしさのようにも感じました。ただ、距離が離れるにつれて、花火の光るタイミングとは音楽はズレて行きます。
帰り際に音を聞いてみたところ、雄物川の堤防の真後ろはほとんど音楽は聞こえませんが、丸子川の西側の堤防下あたりだと聞こえなくもないかなという感じでした。風向きにもよるかもしれません。ただやはり、有料観覧席で音楽の世界観との一致を楽しむのが良いのではないかと思います。

トイレについて
観客席内には、大量の仮設トイレが設置されていますが、使えるトイレは観覧席のブロックによりある程度制限されているようでした。入場するのにまずチケットを見られるのですが、その後各ブロックに入るのにもチケットを確認され、他のブロックには入れないようになっていました。そして、トイレはその制限区域内にそれぞれ設置されているのです。常時トイレの前には列ができていましたが、基本的には5分くらいで入ることができました。列の並び方がよくわからないのですが、毎年来ている人によるといつもそんな感じらしいです。譲り合って使いましょうということなのでしょう。
屋台について
会場の右端、左端に出店コーナーがあるのと、駅から会場までの道にもたくさんの出店があります。私は会場の出店を回りましたが、結構たくさん出ており、特に横手やきそばが例年人気のようです。昼花火の前はだいぶ空いていましたが、だんだん人が増えてきて、大行列のところもありました。できるだけ早めに買いにいくのがおすすめです。価格については、安くはないですが、そこまでおかしい金額ではないような感じでした。生ビールが600円くらいで販売されている感じです。まあ居酒屋とかだとそんなもんかなあ、というような絶妙な価格設定。600mlのお茶は300円で発売されていたので、飲み物系は先述した方法で持っていくのが良いかもしれませんね。横手やきそばは1パック800円?で、実際横手の店で食べるのと比べてもそこまで価格は変わらないくらいでした。
花火について
打ち上げ場所について
私は堤防BOX席の18ブロック(会場右より)にいたので、左側について詳細は不明ですが、少なくとも右側の各花火の打ち上げ場所については把握できたのでそれを記載します。
まず、昼花火の競技玉は、堤防BOX席18ブロック、テーブル席8ブロックの目の前で全て上がります。昼花火スターマインはこの競技玉の場所に加え、左側のおそらく堤防BOX13ブロック、テーブル席3ブロックあたりであがっていたものと思われます。
夜花火の競技玉58発(標準審査玉含)はテーブル席7ブロック〜8ブロックあたり、堤防BOX席17ブロック〜18ブロックあたりで、夜花火の創造花火は、テーブル席3〜7ブロック、堤防BOX13~17ブロックあたりで、会社ごとに場所を変えながら打ち上げられていました。
800mナイアガラ、大会提供はそれぞれ、右端が8ブロック・18ブロック付近でした。オープニング・フィナーレ以外に4回あるスペシャルスターマインは、右、左、右、左と交互に実施され、右の時(1回目と3回目)については8ブロック・18ブロック左側の前で打ち上げられていました。
大会提供や創造花火は真ん中付近の席が最も良さそうですが、10号割物・自由玉の部と昼花火については、やや右よりの席が取れた方がラッキーと言えそうです。

昼花火に関連して
YouTubeで見ている限り、昼花火は迫力がなくてあまり面白くないかなあなどと考えていたのですが、そんなことは全くありませんでした。まず音がとてつもなく大きいです。サイズとしては5号玉5発なので、夜花火では10号玉が使用されることを考えると少し小規模のように思えますが、なんせ近いので大迫力です。煙の色やパラシュートでの降下のしかたなど、一つ一つ感想を言い合えるのが昼花火の魅力であると感じました。


ときどき、パラシュートが外れてしまって真っ逆さまに落下し、下で燃えているのをスタッフがほうきのようなもので消しにいくシーンも見られました。花火は安全が大事なので、こういう場合は減点されるようです。
昼花火スターマインは、いよいよこれから夜花火が始まるぞというワクワク感を醸成するような雰囲気があり、ワクワクしました。打ち上げ場所の右端、左端からそれぞれ打ち上がるスケール感が印象的でした。

夜花火に関連して
夜花火はとてつもない迫力です。まず、オープニングの虎の尾が、思っていた5倍くらいのサイズでした。とにかく花火が近いので、10号玉が上がったときなどは、最後部の席でも見上げるような感覚です。また音もすごく大きく、後ろの山々にぶつかって何度か反響します。すごい花火が出てくると、歓声が上がったり大きな拍手が起きたりします。10万人の観客のパワーを感じます。

大会提供花火については、横幅900mで大玉が大量に使用されるなど、あまりにもスケールが大きく、一回目はもう言葉がでないというような雰囲気でした。あとで改めて見返すと、細かい工夫や芸術性が垣間見えて、何度でも感動できます。

フィナーレのいざないの街(秋田県民歌入り)が流れ、いよいよ終わってしまうのかという雰囲気です。最後はあえて大量に打つのではなく、5秒に1つずつ尺玉(10号玉)を打ちます。しみじみとした気持ちを反映するような演出に感動を覚えるのです。

その後のエール交換も、かなり多くの観客がペンライトを持参しており、他の何にも例えられないような圧倒的な光景でした。

かかったお金
今回、かかったお金についても紹介します。
まず堤防BOX席が4人で30000円なので、1人7500円です。
盛岡のホテルが1人8000円で、移動は青春18きっぷなので12050円。
ここまでで27550円。さらに、スーパーで買った食材などを含めておよそ30000円です。
大曲の花火のツアーは10万円近くすることもあるので、あの会場にいる東京から来た人たちの中ではトップレベルの破格で旅行ができたのではないかと思います。
まとめ
私は何度も何度もYouTubeで大曲の花火(全国花火競技大会)の映像を見ていましたが、それでもやはり実際に見ると感動が桁違いでした。とにかく花火は大きく、質の高い花火を休む暇もなく見ることができるこの大会を見て、日本一と言われる理由が非常によくわかったような気がします。これまで見てきた花火大会って一体なんだったんだろう、といったことを言いながら、帰路につきました。あと1年頑張って、来年もまた大曲の花火を拝みたいと思います。


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