大東諸島への旅行はここまでのエピソードから分かる通り、旅程延期や遅延が当たり前のように発生します。旅行会社の立場からみると、これほど厄介な旅行先はなかなかないでしょう。企画旅行を旅行会社が実施する際、旅程管理業務を行う義務があり、仮に交通機関が運休となったりした場合は代替サービスを手配したりすることが求められます。今回のように案内できる飛行機がないと言われた場合、旅行会社は航空会社と旅客の不安との葛藤の中に立たされることになるわけです。また、標準旅行業約款においては、天災地変による旅程の変更の際に余分に必要となる費用は、旅行者が負担することとなっています。旅程が変更になった挙句、余分に費用を徴収されると、旅行者からの満足度は下がってしまいかねません。そのようなこともあってか、大手旅行会社はあまり大東諸島のような場所へいくツアーを実施していないようです。
また、南大東島へ行くツアーの募集を見ていると、最小催行人数(この人数に満たなかった場合、旅行が中止となる基準の人数)を下回り、旅行が実施されないということも多いようです。また仮に実施するとなっても一人当たりの負担額は大きくなりがちです。私はこの南大東島への旅行を、東京からの航空機も合わせて3日で約50000円で実施しましたが、旅行会社のサイトをみると、25万円ほどかかるものもあるようです。5倍もかかるのですから、ずいぶんたくさんマージンをとっているのでしょう。様々な業務を少数の旅客のために行うのですから、仕方ありません。
このような事情から、南大東島はツアーなどで気軽にいける場所とは言い難いでしょう。ツアーがそもそも少なく、中止になる可能性があり、そのツアーの費用も莫大で追加費用もかかる可能性があるのです。よって、このような場所を旅行しようと思えば、基本的には自分で旅程を組み上げ、自身で旅行をし、旅程変更時も自身で対応することが多いと思われます。私もフェリーだいとうで出会った仲間たちは基本的に全員、毎日のように旅行をし、自分で旅行計画を立てることのできる、熟練旅行家たちばかりでした。
しかし私はこのような状況は、旅行者を地方から遠ざける原因となっていると考えています。さまざまな場所を旅行することは、人と地域との接点を生み出します。さまざまな場所を旅行する中で「この場所が好きだ」という地域を見つけられるかもしれません。そのような出会いこそが地域を活性化させると確信しています。
我々はこのような場所を旅行される方に対し、現在ボランティアで旅行相談を受け付けております。詳しくはお問い合わせよりその旨をお知らせください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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