駅近!東北・宮城県の秘湯「鳴子温泉」へ鉄道で行ってみた【pH2.8の公衆浴場!?】

旅行のハウツー

東北地方の宮城県にある「鳴子温泉郷」は、昔から素晴らしい温泉地として知られる。私も何度か訪れているが、街並みは美しく静かで、不思議と吸い込まれていくような温泉地である。それでもって、駅から近く、観光もしやすい。今回は日本一周を3回やった旅行東大生が、鳴子温泉の魅力を紹介していく。

鳴子温泉について

鳴子温泉は宮城県の大崎市にある温泉だ。鳴子温泉は「鳴子」「河原湯」「元車湯」「新車湯」の4つの温泉地から構成される。日本では温泉の泉質が大きく分けて10種類設定されているが、鳴子温泉ではそのうち7種類も楽しむことができる。泉質が多様なので、「強酸性の風呂に入ったから次は中性の風呂に入ろう」といった贅沢なこともできるのだ。

また、鳴子という地名からは「鳴子こけし」を思い浮かべる人も多いだろう。まさにこの鳴子こけしを作っているのが鳴子温泉付近である。鳴子こけしは首をひねるとキュッキュッという音がなることで知られる。湯治できた人たちのお土産として発展した過去があるようだ。実際、鳴子温泉では町中にこけしの看板などが飾られており、ドラッグストアにもこけしが展示されていた

鳴子温泉は駅近!鉄道でアクセスできるが…

温泉地、特に秘湯のようなところは山奥にあることが多く、鉄道でのアクセスはかなり難しい場合が多い。バスに乗り換えたり、タクシーに乗ったりする必要がある温泉地も多いのだ。しかしこの鳴子温泉は鳴子の温泉街の中に「鳴子温泉駅」があり、まち自体もコンパクトであるため徒歩での移動が可能である。この点、訪問しやすい温泉地であると言えるだろう。

しかし、この「鳴子温泉駅」自体は都市部からずいぶん離れた場所にある。仙台駅からだと、在来線なら小牛田(こごた)駅で、新幹線なら古川駅で、それぞれ陸羽東線に乗り換える。新幹線で80分ほど、在来線で130分ほどかかる。また本数も1時間に一本くらいなので予定を立てるのも容易ではない。

陸羽東線は本来宮城県から山形県へと抜ける路線であるが、災害で鳴子温泉以西はバス代行となっているため、山形方面からのアクセスは一段と大変だ。

青春18きっぷで訪問しよう

18きっぷで旅行する人たちにとっては、鳴子温泉はちょうどいい観光地であると言える。18きっぱーにとって在来線の130分くらいは大したことではないだろう。追加料金のかかるバスやタクシーなどの利用をせずとも素晴らしい温泉地にいくことができるのだ。「青春18きっぷで行く温泉番付」なるものが存在するのだが、そこでは鳴子温泉は堂々の「横綱」として挙げられている。鉄道×温泉だと、駅に温泉が併設されている「ほっとゆだ」の方が有名な気がするが、ぜひ鳴子温泉にも訪れてみていただきたい。時間がないひとは駅前に足湯もあるので、そちらの利用も検討したい。

鳴子温泉の公衆浴場

子温泉駅の近くには二つの公衆浴場がある。そこまで広くない上、泉質も異なるため、時間のある人は両方訪れるのがおすすめだ。宿泊施設も多くあるが、日帰りでも十分楽しめると思う。なお、ここで紹介する公衆浴場は観光客も入れるが、住民用の公衆浴場が他にたくさん存在しているらしい

1, 滝の湯

鳴子温泉の本丸とも言える公衆浴場が「滝の湯」である。鳴子の旅館街を登っていくと、素晴らしい佇まいの建物が見えてくる。雪の降る日はなお、趣がある。

滝の湯

建物の前にある券売機で入浴料(大人300円・子供100円)を支払って入場する。

滝の湯の券売機 字の雰囲気が良い

温泉の内部はヒバ造り。浴槽は滝の湯の名前の通り、温泉が頭上から滝のように流れている。この流れに打たれると、温泉成分が押し込まれるので湯治に効果的だという表示が脱衣所にあった。

この温泉のpHは2.8とのことである。日本全国探してもなかなか見つからないような強酸性の温泉だ入った瞬間ピリピリするほどであるが、慣れたら大丈夫だ。濃度の強さもすごいのだが、この滝の湯は風呂の温度もかなり高い。場合によっては44度くらいまで上がることもあるそうだ。私が行った日は平日で地元の方らしき人が多くいたので、その人たちの入り方を観察してみた。しばらく浸かった後に浴槽の外で座り込み、熱さが抜けてきたらまた入る、という入り方をされている人が複数いたので、これが滝の湯の入り方なのかと思われる。相当皮膚が強く、熱い風呂が得意な人でなければ、休憩なしで長時間入り続けるのはかなりしんどいだろう。しかし、ここでしか味わえないような温泉なので、ぜひ一度訪れてみていただきたい

雪が降る日の滝の湯

2, 早稲田桟敷湯

こちらも駅の近くにある温泉施設である。早稲田という名前の通り、早稲田大学の学生が掘り当てた温泉だそうだ。こちらは滝の湯より少し現代的な作りとなっている。入浴料は660円。私が行った時はJRの切符を見せると100円割引してくれるキャンペーンが行われていた。

鳴子・早稲田桟敷湯

こちらはpHが7.6で、少しアルカリ性寄りのほぼ中性である。先ほどの滝の湯から歩いて5分くらいなのに、ここまで大きく泉質が変わるのは不思議だ。一般に刺激の強い温泉に先に入ってから中性寄りの温泉に入るのが良いと言われているらしいので、私は滝の湯の後に訪れた。

こちらの温泉も、非常に高温である。体感だと45度くらいあるのではないだろうか。他に3人くらいいたが、みんな体を真っ赤にしていた。「めちゃくちゃ熱いですね!」という会話もはずむ。だが、泉質自体は滝の湯よりだいぶまろやかであろうというのは素人目にも分かるものであった。

ちなみにこちらの早稲田桟敷湯は休憩所も名物である。吹き抜ける風を感じながら、湯上がりの時間を過ごすのは素晴らしい。私は訪問時間が遅かったので休憩所に関しては閉鎖されてしまっていた。今度はもう少し早い時間に行こうと思う。

温泉の入り口

鳴子温泉の温泉以外の楽しみ

鳴子温泉は温泉以外にも魅力がたくさんある。まずは先ほども紹介したこけしだ。こけしの製造を行っているところがあったり、こけしのお土産を販売する店がたくさんある。ここでお気に入りのこけしを見つけるのも楽しみの一つだ。また町中の至る所にあるこけしの看板やオブジェなどを探すのも楽しい。駅の展示室にこけしがたくさん展示されていたりもするので、見どころはたくさんだ。

あと、鳴子温泉に行った際に私が必ず行くのが「おばちゃんキッチン工房LINK」さんだ。ここではさまざまなお惣菜が取り扱われているが、特に私が毎回食べるのが「こんにゃく串」である。確か150円だったと思うが、鳴子の寒い冬にはこのこんにゃくがすごく合うのである。

鳴子温泉のこんにゃく

その他、鳴子温泉は普通に人が暮らしているということもあり、地元の商店なども点在している。そういう街並みを楽しむのもこの鳴子の魅力の一つだ。

鳴子温泉のLINK

鳴子温泉は東北地方でおすすめの温泉地です

東北にはたくさん魅力的な観光地がありますが、この鳴子温泉はおそらく行って後悔はしないと思います。ぜひその魅力を実際に行って楽しんでいただきたいと思います。個人的には鳴子は夕方〜夜くらいの時間で、雪の降る景色が一番趣があると思っているので、それくらいの時期・時間を狙って訪れるのがおすすめです。最後までご覧いただきありがとうございました。

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