今回はやばいと噂のさくら高速バスについて紹介する。東京大阪間のバス運賃を検索すると、2000円前後の極端に安いバスがヒットする。そして調べてみると、これらの多くは「さくら高速バス」という名がついていることが多い。今回はこのさくら高速バスを10回くらい利用して感じたことや安全性、安い理由などを考えていく。
さくら高速バスとは
さくら高速バスは、福島県白河市にある旅行会社「株式会社さくら観光」が運営する高速乗合バスである。親会社の「株式会社桜交通」が運行主体となり運行されている。東京を中心にさまざまな都市を結ぶ高速バスを運行しており、予約サイトで見かける機会も多い。東京大阪間を結ぶさくら高速バスは、一晩でなんと20本も運行されているそうだ。また他社のバスの販売を代理していることもあり、それを含めると1日50本近く取り扱っている。
運行会社はさまざま
さくら高速バスは、基本桜交通が運行するが、一部は昌栄高速バスや杉崎観光バスなどが受託運行をしている。車両も各社のものが使われるため、さくら高速バスの車両を探しても、自分が乗る便が見つからないことがある。バスターミナルでは要注意だ。

安い理由を考えてみる
さくら高速バスが運行するバスの値段は、閑散期にはとても安い印象がある。JRバスだとだいたい5000円くらいするところ、さくら高速バスは2000円くらいで販売していることも多い。なぜこんなに安いのだろうか。
ダイナミックプライシングを導入している
さくら高速バスをはじめ、高速バス各社は需要に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」を実施している例が多い。さくら高速バスでも、金土日などはかなり値段が上がり10000円を超えることもある。反面、需要が少ない平日などは、2000円を切ることもあるのだ。このように価格を大きく上下させているため、購入した日がたまたま安い日だった可能性を考慮したい。
バスターミナルが遠い
だがダイナミックプライシングを考慮してもなお、安いように感じることも多い。この理由として考えられるのは、バスターミナルが中心地からやや離れているという点であろう。たとえばJRバスであれば、大阪駅発だとしっかり大阪駅から出るし、東京駅発だと八重洲の駅舎の前から乗車できる。一方、さくら観光バスが使用するバスターミナルは、中心駅からやたら遠いことが多い。大阪駅発の便はプラザモータープールというバスターミナルから出発するものが多く、これは隣駅の中津の方が近いくらいだ。また東京駅も鍛冶橋駐車場出発が基本で、八重洲口からやや歩かなければならない。バス会社がターミナルに支払っている料金が駅の距離によらず等しいとは考えづらく、おそらくこういった工夫でコストカットをされているものと思われる。

サービスがシンプル
近年はバス会社の競争も激しくなり、各社さまざまなサービスを提供しようと取り組んでいる。スリッパやブランケットなどを貸してくれるバス会社もあるが、さくら高速バスは基本的にこのようなサービスはない。また隣席との間のカーテンはない。車内トイレもないため、サービスエリアへの停車回数は少し多いように感じる。シートは一般的なバス車両のものであり、JRバスなどより、気持ち硬いような感じもあるが、そこまで気になるほどの違いはない。
一方、荷物預かりのサービスなどを含め、大枠は他社と共通である。また車内にコンセントがある点はありがたい。
客層について
さくら高速バスのみならずではあるが、安い高速バスには学生が団体で乗っていたりすることが多い。そのような人たちがヒソヒソ話をする声がやや気になることがある。特に安くなればなるほどその傾向が強い感じがする。また最近はインバウンドの方々が夜行バスを活用する事例が増えてきているようで、日本と少しマナーの違いが感じられる場面もあるのだ。
安全性について
あまりにも安いと、その安全性が不安になるが、基本的には他社より特別事故が多いということはなさそうだ。夜行バス自体が飛行機や新幹線に比べると事故率が高いようなので、心配な人は他の交通機関を検討する方が良いかもしれない。
さくら高速バスのホームページによると、2010年から2025年までの16年間で事故が2件発生しているようだ。これが多いか少ないかの判断は難しいが、怪我人は出たものの死亡事故が発生していないということは着目すべきだ。しかし、2件のうち一件は2025年6月に発生しているため、直近は要注意かもしれない。

安くなるタイミングは?
さくら高速バスの予約をする際、最も安いのは平日の中日である。また、その安い日も予約サイトでよく見極める必要がある。早く買ったら必ず安いということではなく、2日前くらいまでにかけて徐々に価格がさがっていくケースが多い。そして直前になるとまた価格が上がるのだ。一方、休日の場合は日が近づくに連れて上がっていくのみの場合が多い。この買い方は本当に難しく、「昨日買っておけば300円安かった!」などといったこともある。何度も予約して慣れるのが早そうだ。
まとめ
今回はさくら高速バスについて紹介しました。私自身何度も乗っていますが、いつも安く快適に移動できるので重宝させていただいています。ぜひみなさんも一度試してみてください。最後までご覧いただきありがとうございました。


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